それだけに価値も値段も非常に高く、誰もが欲しがるもの

戦前の時代、カメラは世論を動かすことのできる重要な存在だった

サリンジャーの小説の一節で、「あのライカは250$もするんだぞ!」というくだりをよく記憶しています。その250$はむろん戦前の貨幣価値のそれなのでした)であったと同時に「世界の世論を動かす政治的なツール」でもありました。同じ世紀のほかの道具、たとえば一台のマシンにそのような「過剰な思い入れ」をすることはなかったのではないでしょうか。ただの一つの小型な機械が「意志の力」をもっている。ライカ人類が同様に偏愛してやまないモノに機械式時計があるわけですが、そのメカニカルウオッチの場合には、どうもその存在感が異なるのです。

時計には精確な時間を計測するという任務こそあれ、その秒針の進みがそのまま、「世界を動かす政治的なツール」であったわけではありません。時計は精確な測定機ではありますが、創造の道具ではなかった、ここがライカと時計の分岐点なのでした。もうすでに名前の変わってしまった、かつてのソ連の革命の聖地、レニングラードの革命博物館には、10月革命を率いた赤軍の将校の使っていた懐中時計が展示されていました。それが実に立派な金側のスイス時計なので、なにかはぐらかされたような感じをもったのは不思議な体験でした(写真)。

赤軍、革命軍の指導者が携帯するには、あまりにロマノブ的な、つまりブルジョア的な時計であったからです。もっともロシアで国内の時計産業が開始されたのはロシア革命のずっとあとのことですから、それは仕方ないにせよ、ソ連の歴史のその後、つまり1930年代から40年代、そして戦後の冷戦時代の指導者が持っていたとしてミュージアムに展示されていたウオッチは、おしなべて質実剛健、思想ただしき質素なロシア製だったのです。
新しくイタリアンレストランを始めることになったので、メニューやホームページにのせる料理の写真を出張撮影さんに来てもらい、撮影をすることになりました。
我が社ではいつもオンデマンドで印刷依頼をしています。原稿を送ると本当にすぐ印刷してくださって、大体3日以内にはいつも届いています。これからも利用していくつもりでいます。


実際にチケットを取って、ホテルを予約して、飛行機に乗り、現地に到着して立っているとき。その時点で回想するに、「2週間前に六本木ヒルズ49階の仕事場で夜景をみながら予約を数本入れた、あのオンラインのエアチケットやらホテルのバウチャーやらを印刷したことがどうやら本物の旅であって、いま自分がその目的地にいることは、あの真実の旅を実地に確認しているだけではないのか?」このようなへんてこなデジャブが頭脳をよぎるのは、ライカがそばにあったから。

どうも、それが理由のようなのです。予約したあの晩と、いま目的地にいる自分に共通する事項は、生身の自分と、あの晩にかたわらに置いていたライカが、いま、外国に一緒にいるという事実のみなのです。


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